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ありがとう、ディック・ブルーナ。
彼のデザインには、黒と白の他には「赤」「黄」「緑」「茶」「青」「グレー」の六色しか存在しないことをご存知の方も多いと思います。
「ブルーナカラー」と呼ばれるその六色は大変厳格なもので、彼のデザインを使用したアイテムを製作する際には、決められたブルーナカラーの色見本(カラーコード)に沿ってデザインをしなければなりません。
そして厳しい審査を通り抜けたものだけが、ブルーナの、そしてミッフィーのアイテムとして私たちの手元へ届けられます。
そんな厳格なルールがあるからこそ、彼のデザインは何十年も変わらず受け継がれ、人々を魅了し続けるのではないでしょうか。時が経つにつれ、変わることより変わらないことの方が難しいのではないかと、そんなことを思いました。
東日本大震災が発生した際、ディック・ブルーナは被災者の方へ向けたミッフィーのイラストを公開しました。それは、ミッフィーが両目から大粒の涙を流し、ブルーナカラーを用いない真っ白なミッフィーの姿。
こだわりのブルーナカラーを使わず、あえて色を付けなかったというそのイラストは、悲痛な思いでいる被災者の方へ寄り添う、彼の気持ちの現れでした。
我が家にある、10cmほどの小さな透明のコップ。子どもの頃から20年以上使い続けている一番のお気に入りのコップは、ミッフィーのものでした。
大人になった今でも、何か選ぶときはついミッフィーのものを選んでしまいます。去年ミッフィーカフェに行った時に頂いたミッフィーのマグカップは、大のお気に入りの一つです。
彼のこだわりの一つとして、「デザインはシンプルが一番」というものがあります。シンプルであることは見る人の想像をかきたて、心の中で芽吹いていくというのです。
確かに子どもの頃から今に至るまで、私の中ではブルーナデザインが生き続けています。そしてそれは、これからもずっとそうであるように思います。