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【ちょっと通になれる、北欧小話】No10:西洋にお盆はある? ご先祖様との向き合い方について
こんにちは。
もうすぐお盆ですね。お盆休みが今から楽しみという方も多いかと思います:)
ナスやキュウリで馬や牛を作ったり、迎え火をしたり、ご馳走をいただいたり。皆さんのおうちでは、どんな風に過ごしますか。
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そもそも、お盆って?
死者の魂が、私たちの元に帰って来るとされているお盆。ご先祖様に想いを馳せる、夏の風物詩の一つですね。
古くは600年頃には行われていたとされていますが、今のように一般的になったのは江戸時代頃。
それまでは高価であったロウソクが手に入れやすい価格になったことで、一気に広まったとされています。
世界に目を向けると、2017年に公開されたピクサーの映画「リメンバー・ミー」が記憶に新しい方も多いかと思います。
映画のモチーフとなったメキシコの「死者の日」は、日本のお盆と同様に死者を偲ぶ日として有名ですね。
お盆のような風習は他の国ではあまり一般的ではありませんが、実はとてもよく似た文化があります。皆さんも必ず知っている"あれ"なのですが、分かりますか?
西洋のお盆「ハロウィン」
そう、正解はハロウィン! ハロウィンは古代ケルト人が行っていた「サウィン祭」という収穫祭が起源とされています。
古代ケルトにおいて、10月31日は大晦日。この日は、ご先祖様の御霊が帰って来る日でもありました。
しかし、ご先祖様と一緒に悪霊もやってきてしまうため、仮装をして追い返していました。この名残が、現代にも残っているんですね。
また、カボチャをくりぬいて明かりを灯すジャックオランタンは、魔除けの他に、ご先祖様の魂が迷わないようにする「迎え火」の意味があるとされています。
ハロウィンにお盆のようなイメージはあまりありませんでしたが、こうしてみるととてもよく似ていることが分かります!
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カトリックの重要な記念日「諸聖人の日」
また、お盆に近い文化で「諸聖人の日」というものがあります。墓地に集まり、ロウソクの明かりと共に聖人や殉職者に想いを馳せる、キリスト圏ではメジャーな記念日の一つです。
世界遺産でもあるストックホルムの「森の墓地(コーグスシュルコゴーデン)」では、無数のロウソクが焚かれ、まるで星々のような美しい光景を目にすることが出来るそう。
死者と灯火の結びつきは、万国共通なのかもしれませんね。
北欧の葬儀事情
日本では火葬が一般的ですが、その普及率はなんと99%! 文句なしの世界一位です。
キリスト圏は土葬文化が多く、北欧諸国もかつては土葬がメジャーでした。が、現在は火葬も増えてきており、特にスウェーデンやデンマークでは80%の人が火葬を選択しています。
ただ、参列者が火葬場まで行くことはないそう。確かによくよく考えてみると、ご遺体を燃やす場面に立ち会うのって、相当なことですよね。
日本では亡くなるとすぐにお通夜やお葬式という流れになりますが、北欧では一週間~一か月後に行われるのが一般的とされています。
また、献花用のお花も自分たちで持っていくのがならわし。
さらに超福祉国家であるスウェーデンでは墓地税なるものがあり、無料で利用することが出来ます。まさに「ゆりかごから墓場まで」を体現していますね。
今回はお盆をテーマに、西洋におけるご先祖様などとの向き合い方をご紹介いたしました。
地域によってもまちまちですが、2024年のお盆は8月13日~16日ごろとされています。
今年のお盆はよりご先祖様と向き合って、自分の"生"についても感謝をする、そんな日にしたいですね:)