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【ちょっと通になれる、北欧小話】No.5:最高のバカンスシーズン! 北欧の夏の暮らし方
サマーハウスでスローな暮らしを楽しむ
他にも、「サマーハウス」と呼ばれる別荘で過ごすのも、北欧ではメジャーな夏暮らし。
別荘と言うときらびやかな響きですが、都会の喧騒を忘れ、のんびりとした田舎暮らしを楽しむかのように、森や湖などの自然を感じられる場所に構えるのが一般的です。
親しい人とバーベキューをしたり、水遊びをしたり、時には何もしなかったり。お金をかける以上に、ぜいたくな時の過ごし方をします。
また、かなり自然に近い状態で暮らすのが、夏の北欧流。サマーハウスに洗濯機やお風呂がないのは普通で、時には水や電気を引いていないところもあり、近くの湖から汲んできたり、焚火をたいたりするんですって。
自然の恐ろしさとともに、そのありがたさを実感しながら生きている、北欧ならではの夏時間ですね。
一年で最も重要な日と言われる「夏至祭」
日本では単なる日の長い一日という位置づけの夏至ですが、日照時間の少ない北欧では、非常に重要な日とされています。
祝い方は国によっても様々ですが、背の高いポールや大きな焚火の周りで踊り明かしたり、国の伝統的な料理でパーティを開いたり。太陽の恵みに感謝し、夏の到来を夜通しで祝います。
また、太陽とともに育つお花も重要なアイテム。花輪でオシャレをする他に、7種類のお花を枕の下に入れて眠ると、未来の伴侶の夢を見られるという言い伝えもあるんですよ。
ちなみに、スウェーデンの夏至祭をモチーフにしたホラー映画「ミッドサマー」によって、一部の映画好きには有名となりましたが、あれはもちろんフィクション。スウェーデン政府ははっきりと否定していますので、実際はとても楽しいイベントですよ。(ショッキングな表現を含みますので、検索は自己責任でお願いいたします!)
いかがでしたか? 夏を全力で楽しむ北欧の夏暮らしについて、少しは身近に感じていただくことができましたでしょうか。
最後にひとつ、北欧、特にスウェーデンには、「死者は森へ帰る」という、北欧ならではの死生観を表現した言葉があります。
この言葉にも表れているように、手つかずの大自然や、厳しい気候と共存しているからこそ、北欧の人々はひと時の夏の恵みに対して、深い感謝を捧げることができるのですね。
奇しくもコロナウイルスによって、当たり前のことが当たり前に行われることの尊さを実感している、今の私たち。
一つ一つのことを感じ、考え、そして感謝して過ごすことができれば、きっとより良い自分に会うことができる、そんな気がしています。